惜しくも圏外 2020トレンドワード

「密です」とは?

少し前までニュースはコロナ一色でした。その中でよく耳にしたのは「密です」ではないでしょうか?集まってくる報道陣を小池都知事が制する場面は印象に残りましたね。
この「密です」はSNSやゲームに取り入れられて盛り上がりを見せています。
また、ソーシャル・ディスタンスなど聞きなれない単語も飛び出しましたね。

本記事では、キャッチフレーズ「密です」の意味から、派生したコンテンツをご紹介します。

「密です」は密集・密接・密閉のこと

「密です」とは、

  • 密集
  • 密接
  • 密閉

以上3つの密がそろっていて、人との距離が適切に保たれていないときに使います。「近すぎます。もっと離れて下さい」と暗に示しているわけです。「です」は助動詞で丁寧な断定ですが、この場合は半ば命令的な使い方。

3つの密が問題になった背景には、クラスターと呼ばれる集団感染があります。「換気がなっておらず、人が集まりやすい。さらに不特定多数の人と接触する可能性がある」ところで発生しやすいとされています。

とはいっても、どのくらいのスペースを確保したらいいのかはあいまいなところ。具体的な判断を見てみましょう。

①密集

まずは密集です。大勢の人が集まったり、少人数でも狭い範囲で集まることを指します。不可抗力の密集としてあげられるのは満員電車の密集…。電車の中はもちろんのこと、駅やホームにも不特定多数の人が集まっていますね。夕方の買い物も密集の一つでしょう。

②密接

密接は映画館の座席のように手が届く範囲で会話をしたり、一緒にいることです。カラオケボックスで一緒に歌ったり、飲食店でおしゃべりするのも密接。

対策方法は、互いに手を伸ばしても届かない距離、2メートルほど離れることです。お店では横、縦と重ならないように座るのも一つの手。

③密閉

密閉は換気が満足にできない部屋のこと。空調だけで窓は開けられない会議室、飛行機の中、窓のないカラオケボックスが密閉に当たります。

解決方法は、窓やドアを少し開けることです。公共交通機関でも窓が少し開けられていて、風を感じることがあるのでは?

ソーシャル・ディスタンスって何?

コロナになってからはじめて耳にした「ソーシャル・ディスタンス」。日本語にしてみると社会的距離になります。無理して訳しているように聞こえます……。

ソーシャル・ディスタンスとは人から人への感染を防ぐために、お互いに離れましょうという考えです。その距離は2メートルから3メートル。この距離の根拠は、くしゃみでしぶきが到達するのが3メートルだからです(咳は2メートル)。

相手と腕を伸ばすと約2メートルの距離が保てます。念のためもう1メートル、離れておくことがオススメ!

じつは三密は仏教の言葉

三密という言葉。感染症対策のために作られたと思いきや、じつは仏教の言葉なんです。

  • 身密(しんみつ):身体のはたらき
  • 口密(くみつ):言葉のはたらき
  • 意密(いみつ):心のはたらき

この3つは大日如来のあらわれであり、人間と仏さまは本質的には同じであるという教え。

「三密加持すれば速疾に顕わる」という弘法大師(空海)の言葉があります。仏様の身密・口密・意密を正しく受け取ることができれば悟りはすぐに得られる…。コロナの三密はダメですが、仏教の三密は心の平静を保つために必要な存在なのです。

「密です」はキーワードにすることで伝わりやすくなる

キャッチコピー、キャッチフレーズは情報を拡散するために使われています。伝えたいことを1文にまとめ、商品の印象を左右するものです。芸能人など人にもキャッチフレーズがついており、人柄や経験を端的に表現してきました。

出来のいいキャッチフレーズは意味がわかりやすいだけでなく、人々の記憶に残りやすいです。

しかも、「密」という文字は連絡を密にするなど使われてきました。あまりネガティブな文字ではなかったわけですが、「密です」は「離れてください」という意思が伴います。今までにない使い方のため、さらに記憶に定着しやすいのです。

東京アラートはわかりにくかった?

東京の緊急事態制限が解除されてから小池都知事は東京アラートを設定。東京都独自の基準で、レベルに合わせて休業要請の緩和を行います。

しかし、コロナ・ウイルスの新規感染者が何人、感染経路不明者が何人など複雑でした。そしてレベルに応じて都庁とレインボーブリッジの色を変えるというオマケ付き。

アラート内容は正しく伝わらない上、SNSの撮影スポットまで提供する事態となりました。フレーズを設けるなら誰にでもわかりやすい方がいいですね。

「密です」の使い方

では、「密です」という言葉の使い方をご紹介します。
もともと密集、密接、密閉の3条件がそろうと「密です」と言うので、同じような状況に遭遇したときに使うのが自然かと思います。

小池都知事が空を飛ぶ!「密です」がコンテンツ化

ダダッと集まろうとする報道陣を制して「密です!」と叫ぶ小池都知事。かわいい手作りマスクを身につけての行動は印象深く、同時に感染症って本当に集まっちゃいけないんだなと痛感させられました。

せっかくのゴールデンウィークもステイホームが推奨され、気分は沈みがち……。ところが!世の中にはこうも視点を変える人がいるものなのか!「密です」がコンテンツになっちゃいました。

じつはラスボス?都知事の実力は底知れない…密ですマンガ

小池都知事が手をかざすと床に何かがぶつかり(?)黒くなります。さすが、小さい国家並みの予算を持つ東京都のトップ!ただの人間じゃないんですね!強そうですし、コロナも撃退してくれそう!

空を飛んで人を解散させる!ソーシャル・ディスタンスを守るゲーム

『密です3D』は街中の密な集団を解散させていくゲームです。パソコン向けのフリーゲームで、操作はキーボード。クリックで「密です!」と叫び、密集団にソーシャル・ディスタンスを強制、いえ、守ってもらう仕様です。

都知事が走ってる~と思いきや、なんと飛びます!上空から密集団を探し出す都知事。シュールですが笑えます。

「密です」な状況は避けて、楽しんでいきましょう

「密です」の意味は密集、密接、密閉だから離れてくださいというものでした。短くてもわかりやすい言葉にすることで、人々の記憶に残りやすいです。その証拠に「密です」はマンガやゲームにもなり楽しまれています。
ウイルス感染には十分注意をして、「密です」を使っていきましょう。