依存性が高く自分の意志だけではやめるのが困難なものとして、アルコールやタバコなどが代表的な事例といえます。
しかし、これらのような身体に直接的に健康被害を及ぼすもの以外にも、日常生活に支障をきたしたり、経済的な損失を及ぼしたりするギャンブル依存症も存在します。
自らの意志だけではギャンブルをやめられない、または、完全にギャンブルを断つことが難しい場合などに「ハームリダクション」という方法があります。
ギャンブル依存に対するハームリダクションのアプローチについて詳しく解説しましょう。
ギャンブル依存を緩和するハームリダクション

そもそもハームリダクションとは、ギャンブルにかかわらずさまざまな害を及ぼす可能性がある行為について、その依存性を軽減するための指針や行動を指します。たとえば、酒やタバコを完全に断つことは難しくても、徐々に量や頻度を減らしていくことで患者のストレスも緩和されるでしょう。
ギャンブル依存に対するハームリダクションの具体的なアプローチとしては、以下の方法が一例として考えられます。
ギャンブル依存症であることの自覚
患者自身は趣味の範囲内でギャンブルを楽しんでいると考えていても、実際には生活費をギャンブルに充てたり、仕事や学業に影響を及ぼしていたりするケースがあります。このような場合、すでにギャンブル依存症に陥っている可能性が高いため、まずは現状を正確に把握したうえで、患者自身がギャンブル依存症であることを自覚することが求められます。
現状の正確な把握と、患者自身がギャンブル依存症であることを自覚するのはハームリダクションの第一歩といえるでしょう。
掛け金や頻度の段階的な抑制
アルコールやタバコなどに対するハームリダクションでは、1日あたりに摂取する量を減らしたり、摂取の頻度を少なくすることが挙げられます。
ギャンブルの場合には、たとえば1回あたりの掛け金を少なくしたり、通う頻度を徐々に減らしていく方法があります。
ギャンブルは掛け金が大きければ大きいほど「ハイリスク・ハイリターン」になりますが、小さい場合にはリターンも小さく、当たったときの快感を抑制できます。
また、1回あたりの負け額も抑えることができるため、負け分を取り返そうとしてさらに負けてしまうといった悪循環も防ぐことができるでしょう。
ハームリダクションで段階的にギャンブル依存を抑制
ギャンブル依存症を自覚している人のなかには、どうしてもやめることができず「自分は意志の弱い人間だ」などと追い詰めてしまうこともあります。
しかし、ギャンブル依存症は必ずしも個人の意志でコントロールできるものとは限らず、だからこそひとつのアプローチ方法としてハームリダクションが注目されています。
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